『週刊東洋経済』2011年4月16日号が発売されました

 世界的な高速鉄道導入ブームの影響なのか、それとも趣味的文脈による「鉄道ブーム」が経済的な視点からも注目されるようになったのかよく分かりませんが、ここ数年、いわゆる経済誌が鉄道の特集を頻繁に組むようになりました。私の記憶では、東洋経済新報社の『週刊東洋経済』2008年4月19日号が、その先駆けだったと思います。
 その後も同誌は鉄道特集を頻繁に組んでおり、私の手元にある分だけでも2009年7月4日号、2010年4月3日号、2010年7月19日臨時増刊号(※2010年4月3日号をベースに追加取材)、2011年3月5日号と、ほぼ1年おきに特集が組まれています。

 最近では3月5日号が鉄道特集号だったのですが、このほど発売された4月16日号で、また鉄道特集が組まれました。ただし今回は「徹底検証 鉄道被災」という題名で、東日本大震災による鉄道の被害状況と今後の課題などをまとめた緊急特集の位置づけのようです。
 特集冒頭の記事「被災鉄路 再生の行方」は、こちらのブログにも時々コメントをいただいている鉄道ライターの土屋武之さんが執筆されており、鉄道における災害復旧費用のスキームと問題点をまとめています。とくに三陸鉄道の特殊な事情が詳しく記されており、参考になります。

 ところで、今回の地震では首都圏の鉄道も長時間の運休が続き、大量の「帰宅難民」が発生しました。この問題も「首都圏鉄道大混乱」と題した記事で触れており、記事中のリスト「主要路線の運行再開時間」を、私が作成いたしました(記事の本文は私ではありません)。
 私は3月13日以降、今回の地震で運休した鉄道路線のリストをホームページで公開していますが(鉄道運休区間リスト)、これは終日運休が発生した鉄道路線に限定しており、地震発生日の3月11日と翌日の3月12日に再開した路線は含まれていません。『東洋経済』に提供したリストは首都圏限定ではありますが、3月11・12日に再開した路線もカバーしておりますので、合わせてご覧いただければ幸いです。

 それにしても、あの『会社四季報』の出版社から仕事をいただくことになろうとは、思いも寄りませんでした。『四季報』は学生時代、確か1〜2回だけ買った記憶がありますが、私の鳥頭では詳細な企業データを活用できず、就職に失敗したという苦い経験があります(苦笑)。
 なお、個人的には特集の記事よりも、山崎康志「インフラ輸出に落とし穴 迷走するインド貨物鉄道」の方が気になったのは、ここだけの秘密です(笑)。