ところで、今回の『鉄道ファン』は通巻600号となります。このような節目の号に記事を書かせてもらえたことに、ある種の感慨を覚えずにはいられません。
思えば、私が初めて見た鉄道趣味誌が『鉄道ファン』の1980年9月号(233号)でした。小学生のころ、友人が1980年9月号を学校に持ってきて見せびらかし、”ライラック“なる絵入りヘッドマークを掲げた781系の表紙が印象的だったのを覚えています。
それ以来、鉄道趣味誌なるものが欲しい、買いたいと思い続け、翌年の1981年8月号(244号)で初めて『鉄道ファン』を購入しました。とくに岳南鉄道に関する記事が印象的でしたね。全国的に統一された車両だらけの国鉄線しか存在しない田舎町に生まれ育った私にとって、車両の種類がやたらと多いローカル私鉄が魅力的に思えたのです。
もっとも1981年8月号では、岳南鉄道が多種多彩な車両を一掃して形式を統一するため、東京急行電鉄(東急)から中古車両を購入したという記事も合わせて掲載されていたのですが。
ちなみに、鉄道趣味誌を定期的に購読するようになったのは、『鉄道ジャーナル』の1983年9月号(199号)からです。なぜ『鉄道ファン』じゃなくて『鉄道ジャーナル』なんだって? まあそんなことはどうでもいいじゃありませんか(笑)。
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コメント
「レールガイ」という雑誌もありましたね。グラフっぽい雑誌だったけど、すぐに廃刊に(笑)。
おいらは、たしか、ピクトリアルだったと思います。一番安くて薄いから。でも、内容は一番難しかった。
kihayuniさん
『レールガイ』は、なぜか1冊だけ手元にあります。数年前に古本屋で購入したものですが。
『鉄道ピクトリアル』を初めて買ったのはいつだったか…たぶん中学か高校のころですね。基本的には『ジャーナル』で、『ファン』や『ピクトリアル』は興味のある記事が載っていたときだけ購入するというスタイルでした。
「ジャーナル」は1970年代がよかったなぁ。
この世界に入ってからはちょっとアレですが(笑)。
kihayuniさん
1970年代の鉄道趣味誌は、正直よく分からないんですよね。私、若造ですから(笑)。古本としては多数購入していますが、誌面に流れていた空気をリアルタイムには感じていないし、時代背景を含めた評価というのはしづらい面があります。
私は1980年代、とくに国鉄分割民営化前の『ジャーナル』が好きでした。今なら「妄想」の一言で片付けられてしまうような記事ばかりでしたが、当時は提案型の記事を読むたびに、鉄道に「夢」を感じることができました。
もっともそれは、現実の鉄道、とくに現実の国鉄があまりにすさんだ状況で、「夢」に逃げるしかないということの裏返しでもありましたが(苦笑)。