JR九州の「九州一周豪華寝台列車」が2013年春にも運行を開始すると、西日本新聞の1月1日朝刊38頁が報じました。
この話は昨春あたりからうわさになっており、夏には唐池社長も構想を明らかにしています。今回の報道は「お正月記事」用としてJR九州からネタの提供があったのでしょう、運転開始時期や車両などについて、より具体的な内容に踏み込んでいます。
それを簡単にまとめると、以下のようになります。
- 水戸岡鋭治氏が自著などで発表している「夢の寝台列車」構想がベース
- 1編成の車両数は6〜7両
- 定員は30人
- 寝台車、レストラン、ラウンジ、スイートルーム3室の車両などを連結
- 製作費は1両あたり1億〜1億5000万円
- 小倉工場での製作も検討
運行・営業
- 週2回運転
- 2泊3日で九州各地を周回
- 1日目:博多→大分・湯布院、2日目:宮崎、3日目:鹿児島 ※季節によりコースを変更
- 旅行費用は1人20万円程度
ここで挙げた水戸岡鋭治氏は、JR九州などの鉄道車両のデザインを手がけている工業デザイナーで、従来の鉄道車両とは異なる洗練されたデザインで注目を集めています(写真は水戸岡氏がデザインした九州新幹線800系の座席(上)と、肥薩線『いさぶろう・しんぺい』の客室内(下))。
あまりに洗練され過ぎていて賛否両論の面もあるようですが、私は「ミトーカデザイン」がけっこう好きです。ただし883系『ソニック』は、さすがにどうかと思いましたが。
そんな水戸岡氏が作る豪華寝台列車ですから、それなりに興味はあります。とはいうものの、私は「豪華な列車、豪華な設備へのあこがれが薄れている」(2011年の鉄道)状況ですから、今回の報道にしても、正直なところ「ふーん、そうですか」という程度の印象しかありません。
それと、九州2泊3日で20万円かかるというのがどうも。今の私には逆立ちしても工面できない金額ですし、仮に工面できたとしても、20万円あったらもう一度ユーラシア大陸を……いえ、何でもありません。
いずれにせよ、海外の方に目が向いてしまう金額ですが、逆に言えば海外の富裕層には受けるでしょうね。とくに九州に近い韓国や中国の富裕層が興味を示しそうですし、JR九州もそれを狙っているのでしょう。
来年あたりには現車も落成するでしょうから、せめて外観くらいは一目見ておきたいものです。
コメント
豪華客船の「飛鳥」が富裕層やリタイア層向けのものだったように九州一周豪華寝台列車もその辺りの需要を狙ったものでしょうね。今の60〜70代前半の世代は宮崎が新婚旅行先だったりした時代ですしね。
あえて若者や現役世代には無縁の価格設定にしているのでは?
もしレトロムードを演出するのなら、門司港駅を始発駅にしてもらいたいなー。
mukohatsuさん:
なるほど「飛鳥」の利用層ですか。「飛鳥」のホームページでクルーズ情報(http://www.asukacruise.co.jp/schedule/index.html)を確認してみたところ、2泊3日で数十万の国内クルーズもありますね。この辺は年を重ねないと分からない世界があるのでしょうね。
料金が高いとは思わないですよ。
貯める努力をすれば問題はないです。
自分は僅か20万円月々貯めています。
JR九州の一周旅を今年3月に敢行しました。
改めてデザインのすばらしさを思い知らされました。
JR九州独自の寝台特急を是非見せていただきたいです。
GOTORRADさん、コメントありがとうございます。
もちろん、GOTORRADさんのように高いとは感じない方もおられると思います。JR九州にしても、20万円を必ずしも高いとは感じない人の需要があると見込んでいるのでしょう。
ただ、私としてはどうしても海外に目が向いてしまう金額ですし、正直なところあまり魅力を感じないのです。20万払ってJR九州の豪華寝台列車に乗るくらいなら、10万円払ってトルクメニスタンのオンボロ列車に乗りたい。「お前はおかしい」といわれるのであれば、それでも構わないと思っています(笑)。
こうした考え方も、年を重ねれば変わってくるのでしょうか。
デザインも値段もどうでもよいのですが中国・韓国の人たちと一緒の旅行だけは勘弁です