前回の記事(ミャンマーに渡るキハ183系)は、タイトルに「キハ183系」とありながら、写真はキハ183系ではなく北海道ちほく高原鉄道のCR70形でした。手持ちの写真データをあたってみたところ貫通扉付きの先頭車しかなく、釧路駅で展示されたという非貫通タイプの写真がなかったのです。それなら実際にミャンマーに渡った車両がいいだろうということで、CR70形の写真を載せました。
その後、当ブログにも時々コメントをいただいているライター先輩のkihayuniさんから釧路駅展示会の写真をお送りいただきましたので、許可を得て掲載させていただきます。kihayuniさんのブログ『札幌のスナップ』でも展示会の写真が多数公開されていますので、こちらもご覧ください。
わたしは北海道のキハ183系より上越特急「とき」などで使われていた電車の183系の方になじみがあるものの、国鉄時代の塗色はキハ183系も電車の183系も共通のクリーム+赤の2色でしたから、やはり懐かしさを覚えます。
ただ、ちょっと気になるのは、キハ183系の車体でミャンマーの線路を走れるのかどうか、ということ。軌間は日本の在来線が1067mm、ミャンマーが1000mmですから、台車の改造が必要なのは当然としても、すでにミャンマーに渡っているキハ58形やDD51形では車体の最大高さを低くする改造も行われており、ミャンマー国鉄の車両限界は日本国鉄より小さいということになります。だとすれば、最大高さがキハ58形より高いキハ183系も、そのままでは走れないはずです。
冷房機器を除去して屋根上のクーラーキセ類も撤去すれば、とりあえず車両限界に収まるのでしょうか? もっともそんなことをしたら、固定窓のキハ183系の車内は地獄のような暑さになるわけで、こんな列車に「軟禁」されたくはありません(苦笑)。おそらくは「非冷房化」に合わせて窓も開閉式に改造することになるのでしょう。それと高床式の運転台回りも車両限界に抵触しそうですから、かなりの手を加える必要がありそうですね。
キハ183系はミャンマーを走れるのか

コメント
どうも、写真を掲載いただきありがとうございました。
改造がどの程度になるか気になりますね。まず、おでこの前照灯は撤去でしょうし、クーラーは、ひょっとすると撤去して床置きにでもするかもしれませんね。
むしろ、気になるのはエンジンです。国鉄時代は、保守のことを考えてエンジンを共通化していましたが、あれだけバラバラの形式を抱えていると、部品の調達が大変ではないでしょうか。共通化しておけば、どこかが故障しても、どこかから調達・・・なんてこともできたでしょうし、エンジニアも楽だったのでしょうが。そのあたりのことはあんまり考えていないのかな?と老婆心ながら気になります。
もっとも、共通化といっても、DMH17の気動車なんて日本国内でも珍重物ですし、日本でもバラバラなわけですから、致し方ないのかもしれませんね。
kihayuniさん:
ご返事遅くなりましてすみません。写真をご提供いただきありがとうございました。
未確認ですが、キハ183系は去年の段階でも何両かがミャンマーに渡っているようなので、たぶん先行した車両の改造内容を踏襲することになると思われます。その先行車がどのように改造されたのか分かりませんが。
それとミャンマーに渡った日本の気動車は、当初はNDCやLE-CarII、LE-DCなど1980年代以降に登場した小型気動車シリーズが主体でしたが、ここ数年は旧日本国鉄の気動車が主体で、製造年を基準に考えれば逆行しているんですよね。要は初期の小型気動車シリーズの廃車が一段落して「出物」がなくなり、仕方なく旧日本国鉄車にシフトしたようです。
>あれだけバラバラの形式を抱えていると、部品の調達が大変ではないでしょうか。
何両かは部品取りになっているようですから、その辺は「うまく」やっているのではないでしょうか。ミャンマーの改造、保守技術は、意外とレベルが高いのかもしれません。そもそも、かの国の安全基準は日本の鉄道より低いでしょうし、小まめな保守が必要になるほどの速度で運転しているとも思えません。
ちまちまと日本の中古車を購入するくらいなら、統一形式の新車を買った方が、結果的には保守費用も含めて安上がりのような気もするのですが、新車購入のためのまとまった費用をひねり出すことができないのでしょう。外国から資金援助を受けようにも、多くの国は軍政下にあるミャンマーへのODAを凍結していて、もちろん日本政府も円借款を凍結していますし。
かわいそうなディーゼルカーですね。あのひどい状態の線路を走らされるのかと思うと。脱線もめずらしくないようですから。しかも、原型を留めないほど改造されて。日本側にしたら体よくゴミを捨てているのでしょうか。