12月4日の東北新幹線八戸〜新青森間開業に伴うダイヤ改正の概要が、このほどJR東日本とJR北海道から発表されました。
東北新幹線では、東京〜八戸間運転の「はやて」15往復をそのまま新青森まで延伸するほか、東京〜盛岡間運転の「はやて」も上下合わせて11本を増発。これに対して東京〜盛岡間運転の「やまびこ」は、上下合わせて9本の運転区間を東京〜仙台間に短縮します。八戸駅で東北新幹線との連絡を取っていた在来線特急も運転体系が変更され、八戸〜函館間の「スーパー白鳥」「白鳥」は新青森〜青森〜函館間に変更。八戸〜青森・弘前間の「つがる」も青森〜秋田間に変更します。一方、現在青森〜秋田間で運転されている「かもしか」は廃止され、青森・秋田〜新潟間を結んでいる「いなほ」も青森発着の列車が秋田発着に短縮されるため、青森〜秋田間の特急は「つがる」に統一されることになります。
青森〜札幌間を結ぶ夜行急行「はまなす」は、今回の改正ではとくに変更ありませんが、運転区間が青森発着のままなので、東北新幹線との直接連絡は図られません。その代わり、青森〜新青森間は「アクセス列車」で間接的に連絡することになるようです。
できることなら「はまなす」の運転区間を新青森か弘前あたりまで拡大し、東北新幹線との直接連絡を図ってもらいたかったところですが、北海道方面から弘前方面に向かう場合、線形上の問題から青森駅で方向転換が必要となります。これが電車や気動車なら方向転換も比較的容易で、現に電車の「スーパー白鳥」「白鳥」は青森駅での方向転換を含んだ運転となりますが、「はまなす」は機関車けん引列車であるため、方向転換に際しては機関車の付け替えが必要になります。付け替えにかかる経費と輸送量のバランスを考えると、新青森方面への運転区間拡大は困難と判断されたのでしょうか。
なお、今回の改正は暫定的なもので、抜本的な運転体系の変更はE5系使用の最速達列車「はやぶさ」が運転を開始する2011年3月改正で実施されると考えられます。12月改正で盛岡発着の「やまびこ」が削減されることを考えると、3月改正では東京〜新青森間運転の列車が「はやぶさ」、東京〜盛岡間運転の列車が「はやて」、東京〜仙台間運転の列車が「やまびこ」という感じで統一されることになるのでしょうか。(※2010年9月26日18時02分追記:この段落についてはコメント欄もご参照ください)
個人的には、東北新幹線の延伸に関連しない部分の改正内容が気になります。武蔵野線から大宮駅に直通する定期列車や南武線快速列車の新設も驚きましたが、それ以上に気になるのが首都圏近郊特急の縮小。「あかぎ」「しおさい」「わかしお」は土休日の一部列車、「あやめ」は平日の一部列車がそれぞれ廃止され、「踊り子」「さざなみ」も一部列車が廃止。「水上」は臨時列車に格下げされ、「おはようとちぎ」「ホームタウンとちぎ」は完全な廃止になります。北海道でも、札幌〜旭川間の「スーパーカムイ」が一部廃止されるそうですし、どうも高速道路の割引や無料化実験が影響しているようですね。
高速道路の割引や無料化実験が続けば、3月改正でも在来線特急の縮小が行われそうな気がします。
コメント
自称鉄道ライターなのに、JR東日本のリリースを読んだり、今後の計画を把握したりしていないのでしょうか?
http://www.jreast.co.jp/press/2007_2/20071104.pdf
2010年度末に運転される、高速運転を行う新型「はやて」(=後に「はやぶさ」と決定)は2〜3往復程度です。
>12月改正で盛岡発着の「やまびこ」が削減されることを考えると、3月改正では東京〜新青森間運転の列車が「はやぶさ」、東京〜盛岡間運転の列車が「はやて」、東京〜仙台間運転の列車が「やまびこ」という感じで統一されることになるのでしょうか。
そもそも「はやぶさ」とは何かというと、「E5系車両で300km/h運転を行う列車」を指すと明記されています(http://www.jreast.co.jp/press/2010/20100504.pdf)。もし、新青森発着列車が「はやぶさ」に統一されると、新青森発着列車は1日2〜3往復しかないことになってしまいます。
また、そもそも「はやて」とは何かというと、「大宮〜仙台間無停車かつ全車指定席」の列車を指すと記されています(http://www.jreast.co.jp/press/2010/20100916.pdf)。従って、盛岡発着列車を全て「はやて」にしてしまうと、途中停車駅や自由席の有無などで混乱がおきてしまいます。同じ定義に基づく仙台発着の「はやて」についても、12月改正で定期列車からは姿を消しますが、臨時列車として今後も登場する可能性はあります。また、東京〜仙台間の「はやぶさ」が設定されることも既に発表済みです。
結局のところ、「はやぶさ」「はやて」の定義や少なくとも2010年度末時点の運転計画は概ね判明しているのに、それらをきちんと調べずに「行先別に列車名を割り振れば単純化できて良かろう」的な安易な発想で書いていると感じました。
(※ハンドル設定がないので、仮に「Aさん」と呼ばせていただきます)
コメントいただきありがとうございます。Aさんのご指摘の通りで、寝不足の頭で書いたせいか、過去の発表内容が頭の中からすっかり消えておりました(汗)。大変申し訳ございません。
過去のリリースをまったく把握していないのならまだしも、実はAさんからお示しいただいたリリースはいずれも一度以上は目を通したことがありまして、それにもかかわらず上のような記事を書いてしまうのですから、むしろこっちの方が問題ですね。
Aさんが言われるように「自称」のレベルでしかない作文屋風情ですが、今後ともお気づきの点等がございましたら、遠慮無くご指摘いただければ幸いです。
12月4日改正では「はまなす」が青森止まりになっているのが、道民的には残念です。所要時間は縮まりますが、2回乗換えに変わりありませんし、早朝に2駅だけ走るシャトル列車に乗り換えるのは、いかにもかったるい^^;。
やはり、ED79の推進運転には無理があったのでしょうかね。連結器強度の問題もありますが、たしか45km/h以下が許容範囲であったはずです。
kihayuniさん:
そもそも列車の存廃が気になるような状況ですからね。今回の改正では残りましたが、次回はどうなるか……。
時間を有効活用できる”はまなす”は、移動に便利ですので
新青森発着で無いのが、残念ですね。
機まわしがネックかと思いますが、青森-新青森間は、前後に機関車を連結させたプッシュプル運転(もう片方の機関車は函館からそのまま)として、新青森到着後は、即 青森側に回送可能なようにしたら?と思います。