成田スカイアクセスに初乗り

 ようやく仕事が一区切りついたので、今日は先月開業したばかりの京成電鉄成田空港線成田スカイアクセス)に初乗りしてきました。本当は「乗車記」のような仕事として行きたかったところですが、残念ながら、お鉢が回ってきませんでした…。

 まずは山手線で上野へ。京成上野駅の各種案内を見る限り、スカイアクセスのラインカラーはオレンジですが、『成田スカイアクセス』ではなく『成田スカイアクセス線』と案内しています。
 新AE形を見るのは今回が初めて。報道等の写真で見た限りでは、どうも先頭部のデザインが好きになれなかったのですが、実際に見てみたら…やっぱり好きになれませんでした。前照灯が中央に集まっているのが、どうにも違和感を覚えてしまうのです。

 それに対して客室内のデザインは落ち着いていて、わたしは好きです。かつての旧AE形は一度も乗ったことがなく、前のAE100形も1回しか乗ったことがないので、比較するのは難しいのですが、座席の足元が広いのはいいですね。

 それとコンセント。ノートパソコンや携帯電話など電気仕掛けの情報機器を持ち歩くのが普通となり、最近の優等列車用の車両もコンセントを装備するようになってきましたが、腰掛けの台座部分に2口あるのはいいですね。これなら通路側の席の人も使いやすいですし。ただ、席を立つときに注意しないと、コードに足を引っかけてしまいそうです。

 客室の両側にはモニターがあり、各種案内のほか先頭部からの映像も流れています。よく見ると、モニターの脇に防犯カメラがありますね。これも最近の車両のトレンドになりつつありますが、本当に必要なのかどうか、個人的にはちょっと疑問に思います。統計上、日本の治安は悪化していないわけで。

 京成高砂駅から北総線区間に入ると『スカイライナー』は一気に加速して120〜130km/h、そして印旛日本医大駅を通過して新線区間に入ると、さらに加速して157km/hくらいの速度で安定し、印旛沼を脇に見ながら突っ走ります。
 このあたりはここ10年、成田新幹線の調査や取材で何度も訪れていますが、ようやく鉄道でここを通り過ぎることができたかと思うと、感慨深いものがあります。
 列車は旧・成田新幹線区間に入っても160km/h弱の速度を維持し、脇を走るJRの快速『エアポート成田』を一気に追い抜いていきましたが、JRの堀之内信号場あたりから急激に速度を落とし、空港第2ビル駅に入線。続いて終点の成田空港駅には定刻10時44分に到着しました。

 駅のホームは従来からある旧・成田新幹線用ホームの上野側が京成本線(2・3番線)の停車位置、線路終端側が成田スカイアクセス(4・5番線)の停車位置に分けられ、ホームのほぼ中央に仕切りを設置。さらに旧・成田新幹線用ホームの北ウイング側にも成田スカイアクセス用の1番線ホームが新設されています。

 ホーム上層のコンコース階は、京成本線成田スカイアクセスの間に中間改札が設けられていて、京成本線の列車から駅の外に出る場合は改札を2回通らなければならない構造になっています。
 本線経由とスカイアクセス経由で運賃が異なる上、もともと成田新幹線用の設備をつぎはぎする形で整備したので仕方ない面もありますが、本線からの利用者にとってはちょっと面倒ですね。

 空港連絡鉄道、とくに国際空港にアクセスする鉄道の乗りつぶしは、空港駅に着いてからむなしい気分になることが多い。せっかく国際空港までやってきたのに、海の外に出ることなく自宅に戻るのですから。
 ほんの数カ月前、海の外で飽きるほど列車に乗りまくったばかりなので、今回はそういう気分にならないかもと思っていたのですが、展望デッキで飛行機の離陸する姿を見ていたら、やっぱりむなしい気分になってしまいました。今度はシベリア鉄道に乗りたいなぁ…もっとも、シベリア鉄道に乗るなら成田空港ではなく新潟空港か伏木港ですが。

 帰路は羽田空港行きのアクセス特急成田空港駅を12時24分に発車し、その3分後には空港第2ビル駅を発車。路盤の幅にゆとりのある旧・成田新幹線区間を快調に飛ばしていきますが、12時32分ごろに新根古屋信号場の待避線に停車し、10分ほど停車するとの車内放送が入ります。信号場の成田空港寄りにあった信号機を見ると、緑灯が二つ点灯した「G-G現示」。これはもしやと思う間もなく、隣の線路を『スカイライナー』がごう音を立てて通り過ぎていきました。これで発車かと思いきや、さらに成田空港行きのアクセス特急を待ち、列車は12時42分、ようやく成田湯川駅に向けて発車しました。


 最高160km/hという高速を誇りながら、単線ゆえの行き違いによる所要時間の増大。どちらも北越急行ほくほく線と同じ条件というのがなんともはや。膨大な費用のかかる浅草線短絡新線より、旧・成田新幹線区間の複線化の方が先決ではないかと思うのですが。

コメント

  1. twins より:

    > 旧・成田新幹線区間の複線化の方が先決
    同感ですね。もひとつ言うなら「土屋駅」の建設(笑)
    どうも明治の昔から、日本での鉄道に対する考え方は「建主改従」が主流のような気がしますが…

    > 前照灯が中央に集まっているのが、どうにも違和感を覚えてしまうのです。
    じゃあ、大阪市交の新20系グループもお嫌い?(笑)

  2. kusamachi より:

     もっといえば、鉄道アクセスをうんぬんする前に、今後の首都圏空港のあり方というのを詰めておく必要があるでしょうね。それを先に済ませておかないと、いわゆるB案ルートのさらなる強化が必要なのかどうかすら、判断できないわけで。
     大阪市交新20系は、あれはあれでいいんです。だって大阪市交ですから(笑)。