今まで『トランス・アジア・エクスプレス』のことを「テヘラン〜イスタンブール間を直通する国際列車」と表現してきましたが、実際は2本の列車と1本の鉄道連絡船を総称したもので、テヘラン〜ワン間が国際列車、ワン〜タトワン間がトルコの連絡船、タトワン〜イスタンブール間がトルコ国内のみ走る列車ということになります。日本なら、かつての「ゆうづる」+青函連絡船+「北斗」を一本の列車と見なして1枚の切符にまとめたようなものでしょうか。
『トランス・アジア・エクスプレス』は21時37分、12分遅れで発車。車両は中国の軟臥車や中央アジアのクペに相当する4人部屋の1等寝台でしたが、下段寝台はかつてのB寝台4人用個室「カルテット」と同様に2人分の座席に区切られていて、折りたたみ式のテーブルが座席の間にありました。ただし、背もたれが固定されているので、これをベッドとして使う場合は寝台の幅が極端に狭くなります。そして私の寝台は下段でした。
同室の3人は全員イラン人で、2人はパキスタンとの国境にほど近い港町のチャバール(チャーバハール?)から来た若い男性と、そのおじさん。もう1人はエスファハーンから来たお医者さんとのこと。ただ、若い男性とおじさんはやや色黒で、イラン人というよりはパキスタン人かインド人に見え、お医者さんも2人に「パキスタンから来たのですか?」と語りかけていました。もっとも、そのお医者さんもフランスあたりに住んでいそうな顔つきでしたが。
●行程
テヘラン2125(2137・12分遅れ)(60〜51511)→
第41日(5月20日):テヘラン→
