トルクメニスタンとウズベキスタンを連絡する国際旅客列車が運転されていないのは前に書いたとおりですが、10数年前に開業したテジェン(トルクメン)〜マシュハド(イラン)間を結ぶ路線も直通の国際旅客列車は運転されていません。しかし、トルクメン、イランともに国境の近くまでは旅客列車が運転されているので、これに乗ることにしました。
ホテルのロビーでガイドさんを待っていると、いかにもロシア系とおぼしき白人の若い女性が声をかけてきます。なんでも前日までのガイドさんが家族の事情で同行できなくなったとかで、急きょ交代することになったとのこと。抱きしめたら骨の1本か2本は折れそうな細身で、お人形さんのような顔立ちが印象的でした。
まずはトルクメン側のアシュガバード→セラフス間を結ぶ615列車。旧ソ連圏の列車にしては短い4両編成+機関車で、1両目が開放寝台のプラツカルティヌィ、ほかの3両が座席車の「オプシ」でした。夜行運転をするわけではないので、プラツカルティヌィは1等座席車のような扱いで連結しているのでしょう。
我々はプラツカルティヌィに乗車したのですが、これがまあなんというか、中国の普通慢車をはるかに超えるひどさ。単に汚いというだけでなく、窓枠にゴミがたまっていたり、室内灯のカバーが外れていたり、トイレのドアの立て付けが悪く、すき間から中が丸見えになっていたりと整備不良も目立ちます。もちろん冷房などついておらず、車内の暑苦しさは相当なもの。おそらくはプラツカルティヌィを改造したと思われるオプシの方がきれいでした。
とはいえ、20年以上前なら外国人が乗ることができなかったプラツカルティヌィですし、どことなく旧客鈍行のような雰囲気もあって、個人的には楽しかったです。ほかにも一波乱あったのですが、その話はまた別の機会ということで。
●行程
アシュガバード1050(1117・27分遅れ)(615)1904(2100ごろ・約2時間遅れ)セラフス
第34日(5月13日):アシュガバード→セラフス
