この日はアラル海「沿岸」の小さな集落であるムイナクまで往復。ホテルの人は「タクシーなら往復80ドルが相場」と言っていましたが、バザール近くでたむろしているタクシー運転手の連中は百戦錬磨なので、素人の私が料金交渉してもなかなかうまくいかない。最初は100ドルといっていたところ、どうにか90ドルまで下げることができましたが、ムイナクの中心地に着いてから「『船の墓場』まではプラス10ドルだ」と言われてしまい、結局100ドルに戻ってしまいました。
ムイナクは今回の旅行の目的から大きくそれる寄り道なのですが、史上最悪の環境破壊といわれるアラル海の縮小をどうしても見たかったので、当初から寄り道することに決めていました。ムイナクの町外れにある展望台からアラル海を眺めると、かつて豊かな水をたたえていた湖面は広大な砂漠と化してしまい、水の気配はどこにも感じられません。そして水がなくなったことで行き場を失った漁船が錆びた鉄くずとなって数隻並び、「船の墓場」と呼ばれる摩訶不思議な光景を作り出していました。
漁船のあたりにうごめく影が2人。後ですれ違った際に聞いてみると、ウイグルに続いてドイツ人の男性2人組でした。彼らは自分の車でここまで来たそうで、展望台の近くに止まっていた彼らの車を見ると、EU旗の描かれたナンバーが取り付けられています。最終的な目的地を聞き忘れましたが、中国まで行くつもりなのでしょうか。
●行程
ヌクス(タクシー)ムイナク(タクシー)ヌクス
第28日(5月7日):ヌクス→ムイナク→ヌクス
