第24日(5月3日):→タシケント

 朝起きれば、さっそくカザフスタンウズベキスタン国境です。サリアガチ駅の出国審査ではパスポートの確認だけで、荷物検査はなし。いちおう国境警備隊員らしき人が各部屋を巡回していましたが、荷物置き場をちらりと見るだけでした。
 定刻より約40分ほど遅れてサリアガチ駅を発車。民家群の合間を流れる小川の脇に、丸棒と針金で作られた柵があったので、たぶんこれが国境なのでしょう。その気になれば簡単に違法出入国できそうでした。
 時差マイナス1時間となって、ウズベキスタン側のケレス駅で入国審査。私だけ英語で簡単な尋問があり、ウズベキスタンの入国で必須となる税関申告書は記入項目を間違ったため書き直しになるというトラブルがあったものの、やはり荷物検査はなし。割とあっさりした手順で入国を果たしました。中国・カザフスタン国境とはえらい違いですが、そもそも旧ソ連時代は数時間に及ぶ越境自体がなかったはずで、国の崩壊とはこういうところにも出てくるのだなと感じました。
 タシケント駅に到着後、まずは両替。駅前にいた怪しげな「両替人」に、余ったカザフスタン・テンゲ(15900テンゲ)を渡したところ、大量のウズベキスタン・スム札となって私の前に現れました。後で数えてみたところ1000スム札×100枚、500スム札×140枚で、合計17万スム。手持ちのテンゲは日本円から両替した人民元をテンゲに再両替したもので、日本円や米ドルを直接スムに両替した場合に比べるとレートは悪いものの、再々両替になっていることを考えると、まずまずのレートでしょう。もちろん手持ちの米ドルを直接スムに両替した方がレートがいいに決まっているのですが、このときは虎の子の米ドルをできるだけ温存したいという気持ちが働きました。
 しかしこの後がいけない。目当てのホテルがある方面に向かう路面電車がなかなかやってこないので、白タク(といっても中央アジア各国のタクシーは白タクが普通)を利用したのですが、乗車前は1万スムだといっていたくせに、到着後は「本来は進入できない道に入るためポリスに賄賂を渡した」などと難癖つけてきて2万スムに値上がり。多少は抗議しましたが、トランクに入った大きな荷物が人質ならぬ「物質」になっているため強く出ることができず、つい2万スムを払ってしまいました。外国人とみればぼったくられる中央アジアなので多少は仕方ないとしても、2倍というのはやはり悔しい。こういうところに「旅慣れ」していない私の限界が出てきます。
 あげく、ホテルは満室。近くの地下鉄駅から第二候補のホテルへ向かいましたが、駅の入口で待ち構えていた警官に声をかけられる。ついにタシケント名物、「荷物検査と称した不良警官の金品抜き取り」かと身構えましたが、バックのチャックを一つ開けて、中身をちらりとみただけで終了でした。
●行程
→935(1012・47分遅れ)タシケントC