どうにもとらえどころのないアルマティで、どうにもとらえどころのない6日間を過ごし、ようやくタシケントに向けて出発です。「カザフステップ」というのでしょうか。外の景色はやや起伏のある草原がずっと続いていました。
カザフスタンの旧首都アルマティとウズベキスタンの首都タシケントを結ぶ直通列車は、旧ソ連時代の1985年ごろには数往復が毎日運転されていたようで、このうち1往復は外国人も利用できたようです。しかし近年の『トーマスクック海外時刻表』を見ると、外国人制限の縛りはなくなったものの、アルマティ〜タシケント間を直通する列車は存在せず、アルマティから西部の都市に向かう列車に乗り、途中でモスクワ方面からタシケントに向かう列車に乗り継ぐしかないように思えました。
ところがインターネットで公開されている時刻表で調べてみたところ、アルマティからタシケントを経てウズベキスタン西部のヌクスまで直通する321列車が毎週1本運転されていることを発見。これでタシケントに向かうことにしたわけです。旧ソ連時代に比べて運転本数が極端に減っているということは、この地域の鉄道旅客輸送が相当に衰退していることになるわけで、中国との差を感じさせます。
寝台は中国の軟臥車相当となる4人部屋の「クペ」。ほかに2人部屋の「エスヴェー」、3段式開放寝台の「プラツカルティヌィ」も連結された14両編成でしたが、食堂車は連結されていませんでした。いちおう水と食料を少し買い込んで乗ったのですが、実際には同室のカザフ人からお茶やら肉やら野菜やらをいただきましたし、途中の主要駅では売店や物売りのおばちゃんもいて、食べ物に困ることはありませんでした。
もっとも、私はお酒があまり飲めないのに、同室のカザフ人が「クサマチッ!、サケ、サケ!」とウオッカを何度も勧めてくるのには参りましたが。一回だけ少し口にしてみたところ(以下略)。
●行程
アルマティII947(321)→
第23日(5月2日):アルマティ→
