とにかく出入国審査が厳しかった。この日の話はこれに尽きます。
まずは中国側の国境であるアラシャンコー(阿拉山口)で出国審査。どうも私が狙い撃ちされてしまったようで、武警による荷物検査では2台あるデジタルカメラの画像をすべてチェック。携帯電話はパスワードロックがかかっている部分のフォルダを開けと言われました。
そしてパソコン。その場で起動させられ、あとは武警がエクスプローラを使ってランダムにファイルをチェックしていきます。メモリースロットに入れたSDカードにはパソコンの起動を高速化するためのキャッシュファイルがあり、これを開けろと言われたときはほとほと困りました。「パフォーマンスアップファイル」であることを必死になって説明し、武警もどこかに電話をかけて、ファイルの性格を確認していたようでした。
荷物検査が始まってから30分くらいたったでしょうか。ようやく無罪放免となり、武警は「あんたの荷物は小さいくせにいろいろ出てくる」と英語で苦笑い。こちらも嫌みを込めて「辛苦了(おつかれさま)」と言いました。
列車は国境を越えてカザフスタンに入り、ドスティク駅の手前にある検問所のようなところで停車して入国審査。こちらもバックの中身を開けさせられ、荷物について一つ一つ説明させられましたが、中国に比べればはるかに簡単でした。
検問所を発車すれば、ようやくドスティク駅の本体へ。ここで列車は台車交換所に入り、1両ずつ切り離されて標準軌(1435mm)から広軌(1520mm)の台車に交換されます。いつの間にか車体がジャッキアップされ、車体の下を台車がどんどんと送り込まれていく光景がおもしろかったです。
●行程
→(K9795〜13)→
第16日(4月25日):(ウルムチ→アルマティ間の車中)
