第11日(4月20日):嘉峪関→ウルムチ

 K43次の到着から数時間後、ただちに特快T69次に乗り換えてウルムチへ向かいました。嘉峪関だろうと何だろうと、そんなことには目もくれません。
 中国の鉄道は始発駅でない限り切符の購入が困難で、途中駅ではよくて硬座、通常は無座(立席)の切符しか購入できず、寝台の入手はほぼ不可能といわれています。そして嘉峪関駅を始発駅とするウルムチ方面行きの列車はなく、嘉峪関駅の切符売場で聞いても「没座(座席はない)」の返事。ついに無座(立席)券の購入と相成りました。「没座」という回答には「寝台ならある」という意味が含まれていたのかもしれませんが、このときは「途中駅で寝台券が買えるはずはない」という思い込みもあり、寝台の有無は聞きませんでした。念のため聞いておけば良かったかなと、少し後悔しています。
 無座の切符でも空席があれば座ることができますし、実際に席はぽつぽつと空いていたのですが、そういう席はほかの乗客がすでに足を伸ばして寝転がっていて、なかなか座ることができない。見かねた車掌がそういう客を起こして席を作ってくれるのですが、周囲の客は「深夜のちん入者」である私に冷たい視線を向け、居心地の悪いこと。しかも、私がトイレに行っている隙に再び足が伸びて「没座」となったりして、結局はデッキで寝転がるのが一番居心地が良かったです。ただ、朝を迎えてからの景色、とくに日の出に照らし出された砂漠と、地平線の向こうに見える、雪をたたえた山並みがきれいでした。
 ウルムチ駅に到着後、ホームの写真を撮ってもいいかと車掌に聞くと、予想通り「ダメ」。月並みだけど、駅前広場で駅舎の写真を撮ってお茶をにごすしかないなと駅の外に出ると、こちらはショットガンらしきものを携えた警官が駅前広場のあちこちに配置されていて、ホーム以上に写真を撮れる雰囲気ではありません。念のため駅舎の写真を撮ってもいいかとたずねてみたところ、やはりNGでした。
 夕食は駅の南側にあるウイグルの食堂へ。羊肉の串焼き(シシカバブ?)とラグメンがとにかくうまかったのが、せめてもの慰め。食後に一夜漬けのウイグル語で日本人であることを伝えると、ウイグル人はえらく感動してくれました。
●行程
嘉峪関4/19 2217(4/20 008:1時間51分遅れ)→1042(1206:1時間24分遅れ)ウルムチ