戦前の少年犯罪

 以前、「少年犯罪データベース」というサイトを紹介したが、そのサイトの管理人が「戦前の少年犯罪」という本を出した(http://blog.livedoor.jp/kangaeru2001/archives/51340930.html)。著者紹介によれば「国立国会図書館にこもって、古い雑誌と雑誌をひたすら読み続ける日々を送っている」とのこと。草町も頻繁に国会図書館に通っているので、もしかしたらニアミスしているかもしれない。
 まだ30ページほどしか読んでいないが、それだけでも戦前の少年犯罪事情が今より格段にひどいことが分かる。たとえば小学生による殺人事件は毎年数件程度起こっており、そのなかには女子小学生が同級生を殺害したなどという、2004年の佐世保事件にそっくりな事件もある。
 大正が終わろうとしていた1926年12月生まれの紀行作家は「昔は良かったとか、近ごろの若い者はとか言う気持は私にはない。昔より今の時代のほうが、ずっと良いし、現代の若者だって私たちの若い頃にくらべて格別のことはない。」(宮脇俊三「失われた鉄道を求めて」より)と語っていたが、「戦前の少年犯罪」を読む限り「格別のこと」はあるように思う。ただし「現代の若者」が格別なのではなく、宮脇世代の人たちの若い頃が格別、という意味でだが。