産経新聞と涙

主張 ワドル元艦長謝罪 学校の対応はよかったか
産経新聞 2002年12月17日朝刊
 米ハワイ沖で昨年二月、愛媛県宇和島水産高の実習船「えひめ丸」に衝突し、沈没させた米原潜「グリーンビル」のスコット・ワドル元艦長が、事故から一年十カ月後に、謝罪のため宇和島市を訪れ、同校内に建立された慰霊碑に花輪をささげ、頭を垂れた。
 同校は当初、ワドル氏からの訪問申し出に拒否の意向を表明していたが、この日は黙認の形をとり、学校関係者は校内で待機していたという。
(中略)
 ワドル氏は同校内に建立された慰霊碑に向かい九人の犠牲者の名前を一人ひとり小声で読み上げた。また、事故で救出された実習生のうちの四人と面会し、「自分も沈む船の中にいたかった」と涙を流して謝罪したという。記者会見でも「この痛みとともに残りの人生を生きる」と語った。
 このワドル氏の謝罪を拒否し続けるというのであれば、それは日本人の伝統的な価値観、美意識に沿うものとはいいがたい。「礼のかたち」にも反するのではないか。
(後略)

 産経は、涙の謝罪を拒否するのは美しくない、失礼だと言っている。

産経抄
産経新聞 2004年9月19日朝刊
 スト突入を決断したプロ野球選手会古田敦也会長がテレビで号泣しているのを見て胸をつかれた。ストには異論のある人もいる。一部高給取り選手への批判もわかる。だが、今度の「労使交渉」だけは古田会長らに同情したくなる場面が多かった
(後略)

 産経は、号泣する古田会長に同情している。

主張 NHK慰安婦番組 内容自体も検証すべきだ
産経新聞 2005年1月15日朝刊
(前略)
 「政治的圧力が働いた」とするNHKのプロデューサーは記者会見で涙を浮かべ、圧力に屈したとする上層部の非を訴えた。事は言論の自由と公共放送のあり方にかかわる重大問題である。視聴者を含め、男の涙などに惑わされない冷静な判断が求められる。

 産経は、涙に惑わされるなと言っている・・・