天皇の発言といえば、今年4月のチェイニー・アメリカ副大統領夫妻との会見を思い出す。
産経抄
※産経新聞 2004年4月15日朝刊
イラクへの日本の自衛隊派遣について語られた天皇陛下のお言葉にびっくりした。正しく書けば、心をゆさぶられた。大げさに書けば、感動してしまった。
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副大統領が自衛隊を評価すると、陛下はこう述べられたという。「自衛隊は給水や医療活動など、復興支援のために派遣されたものであり、無事にイラクの人びとに貢献することを願っております」▼なんと、陛下は自衛隊のイラク派遣が人道支援であることを明言された。彼らは戦争に行ったのではなく、復興のために赴いたことを。この問題では国内にさまざまな見方があり、論議もわいている。しかし国の象徴である天皇陛下はここにきっぱりと一つの認識をお示しになった▼小欄の知る限りはじめてのこと、すごいことである。
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▼陛下、よくぞおっしゃって下さいました。念のため新聞各紙を調べると朝日、読売は十三日夕刊にご発言のすべてを、毎日はなぜか自衛隊イラク派遣の部分を削ってのせている。いずれにせよ、小欄が感動したというのはそう言い過ぎではない。
賛辞ここに極まれり。どこそこの新聞は載せた、載せないと書くのはいつものこと。
さて、産経新聞の社説やコラムは今回の発言をどう「料理」するのだろう。「朝日と読売、毎日はご発言のすべてを、小社はなぜかホームページ掲載分の記事だけご発言を削って載せている」とでも書くのだろうか。