国旗国歌「強制でないのが望ましい」

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041028ic25.htm
http://www.asahi.com/politics/update/1028/003.html
http://www.mainichi-msn.co.jp/search/html/news/2004/10/29/20041029ddm001040127000c.html
http://www.sankei.co.jp/news/041028/sha102.htm
 秋の園遊会天皇が東京都教育委員で棋士米長邦雄氏に対して発言。CSチャンネルのニュースバードでも確認したが、ほぼ報道通りの内容。ただし産経新聞ホームページでは、いまのところ園遊会記事で「強制に〜」発言にまったく触れていない。

天皇:いまは将棋の方は
米長:将棋の方はやめましてですね、それで、親子で将棋盤はさんでる姿が(ナレーションが入り解読不能)ぜひこれからもお続けください
(ここで少し間があく)
天皇教育委員会として本当にご苦労様です
米長:はい、一生懸命がんばっております
天皇:どうですか
米長:日本中の学校に国旗を掲げて、国歌を斉唱させるというのが私の仕事でございます
天皇:ああそうですか
米長:いまがんばっております
天皇:やはり、あの、あれですね、その、強制になるということでないことがね、あの、望ましいと
米長:(天皇の上の発言にかぶせるように)はっ、はは、はい、もうもちろんそうです、はは、本当にすばらしいお言葉いただきましてありがとうございました
天皇:どうぞお元気で
米長:はい、ありがとうございます

 「やはり、あの、あれですね」と引き延ばして「強制になるということでないことがね、あの、望ましいと」と続けるあたり、言うべき立場にはないが言わずにはおられないという意思、あるいは葛藤のようなものが感じられる。まあ天皇の喋り方は普段からあんな調子なので、たいした意味はないのかもしれないが。
 園遊会は毎年春と秋の2回、各界の功労者や有名人を招待して開かれる。主催は天皇と皇后だが、もちろん天皇と皇后が招待客を決めるわけではなく、中央官庁の推薦でほぼ決定される。ちなみに米長邦雄氏は文部科学省の推薦。さらに招待客は2000人前後で、最前列で天皇や皇后と言葉を交わすことができるのはごく一部。この「最前列」の人選も事前に決められていると聞く。
 文科省はどういう意図で米長氏を推薦したのか。なぜ「最前列」にいたのか。天皇あるいは宮内庁は米長氏の立場や思想信条、これまでの言行をどの程度把握していたのか。そして、当初から米長氏に「強制に〜」と言うつもりだったのか、それとも偶発的なものだったのか。当初から言うつもりがあったのなら、それは天皇自身の意思なのか、それとも宮内庁の意思も含まれていたのかどうか。知りたいことは山ほどあるが、おそらくうやむやのまま終わるのだろう。