「東京駅 幻のプロジェクト」(『鉄道ファン』2012年12月号)

 本日発売の『鉄道ファン』2012年12月号の特集は「東京駅(中央停車場)」です。
 私は「東京駅 幻のプロジェクト」と題し、未完成に終わったプロジェクトとして「東海道線の線増計画と京浜線急行」「弾丸列車計画の東京駅併設案」「中央線の線増計画と第0ホーム」「東海道新幹線東北新幹線の直通化」を解説させていただきました。

 今回取り上げたプロジェクトのうち、特に「第0ホーム」の計画はご存じない方が多いと思います。丸の内本屋の「復原」もあって、このところ東京駅に関する雑誌特集や新聞記事、書籍が多数出回っていますが、それらを見渡してみても、第0ホーム計画に触れたものは見当たりませんでした。
 現在の東京駅は、京浜東北線北行・山手線内回りが使用している第1ホーム3・4番線の上に、中央線の第01ホーム1・2番線が設けられていますが、かつては第1ホームの上ではなく、横(丸の内側)に第0ホームを建設する計画がありました。しかも、第0ホーム計画の名残は今も第1ホーム上に残されています。詳細は記事をご確認いただければと思います。

 東京駅というと、今はどうしても「復原」された丸の内本屋に目がいってしまいがちです。しかし、東京駅の歴史=丸の内本屋ではありません。プラットホームだけをとってみても、さまざまな増改築の歴史が詰まっていて、その中には未完成に終わったプロジェクトもあります。そのことを今回の特集で再確認していただければ幸いです。