【新刊】「公文書でたどる鉄道裏史(9):六甲と有馬を結ぶ「異種直通鉄道」(『鉄道ジャーナル』2020年12月号)

毎度毎度の「遅い告知」で申し訳ございません(汗)。『鉄道ジャーナル』の連載「公文書でたどる鉄道裏史」、10月21日発売の2020年12月号では六甲越有馬鉄道(六甲ケーブル線を運営する現在の六甲山観光)の最初期の計画について、公文書で調べてみました。

六甲越有馬鉄道は、「遷車台式」という方式によって普通鉄道とケーブルカーの直通運転を行い、阪急や阪神の神戸側の駅から六甲山を越えて有馬温泉につなぐ路線の建設を考えていました。実際に開業できたのは、六甲山の神戸側を登るケーブルカーだけでしたが。

一口に鉄道といってもさまざまな種類や規格があって、種類や規格が異なると直通できないところ、それを何とかしようとフリーゲージトレインとかトレイン・オン・トレインとか、いろいろな構想が浮かんでは消えを繰り返しているわけですが。六甲越有馬鉄道の「遷車台式」も、そうした構想の一つといえるでしょう。

なかなか奇抜な発想ですが、「遷車台式」は海外で実例であり、公文書の簿冊にとじ込まれていた米国の実例写真も記事に織り込みました。ぜひお読みいただければ幸いです。