24時間以内の最長距離〜中国で記録更新できるか

 以前、列車移動による24時間以内の最長距離のギネス記録(天塩中川鹿児島中央:2969.5km)について、このブログで触れましたが(24時間以内の最長距離)、このほど最長区間稚内鹿児島中央間に更新され、早速トラベルライターの白川淳さんが挑戦されました。

24時間内に稚内―鹿児島縦断 東北新幹線正常化で達成
(前略)22日に北海道の稚内駅を列車で出発した東京都の男性が23日、鹿児島市鹿児島中央駅に到着、3072キロの縦断に成功した。(後略)

 本来は九州新幹線鹿児島ルートの全線開業(3月12日)に伴い更新されるはずでしたが、前日の東日本大震災東北新幹線が不通となり、全線再開後も速度を落とした暫定ダイヤが続いたため、実行は不可能な状態が続いていました。このほど東北新幹線が通常ダイヤに戻ったことから、ようやく名実ともに24時間以内の最長距離が更新されたのです。

 ところで、ツイッターでもこの話題が出ており、ある方が中国での記録更新の可能性について触れていました。温州事故の影響で減速ダイヤとなってしまったものの、200km/h以上の運転に対応した高速線が既に6000kmほど開業しているのですから、これをうまくつなぎ合わせれば比較的容易に記録を更新できそうです。
 そこで中国の旅行サイト『OK旅行網』の「火車時刻表」に基づき、24時間以内の列車移動距離をどこまで伸ばせるか、ちょっとだけ調べてみました。
 昼間帯は最高速度300km/hで運転している京滬高速線と京津城際線、武広高速線の3本をつなぎ合わせ、高速線の列車が走っていない深夜帯は在来線の夜行列車に乗り継ぐという考え方で検討したところ、所要時間22時間42分、総距離3599kmの乗り継ぎプランを作成することができました。

G1022:広州南7:00→武漢11:00(1069km)
D3074/D3071:武漢11:12→南京南14:48(513km)
G4:南京南15:09→北京南18:48(1023km)
C2229:北京南19:15→天津19:53(120km)
T124/T121:天津20:10→四平5:42(874km)

 ちょっと調べただけで稚内鹿児島中央間を軽く500kmほど上回るのですから、検討を深めればもっと距離を伸ばせそうです。
 ただし、これはあくまで時刻表上でのこと。外国の鉄道はダイヤ通りに列車が運転されることの方が珍しく、中国でも10分20分程度の遅れは日常茶飯事です。このプランでの乗り換え時間は最小12分ですから、ちょっとでも遅れれば次の列車に乗り継げず「ゲームオーバー」になる恐れが高いのです。
 そもそも、中国の鉄道は列車ごとの改札が徹底しており、基本的には乗り換えの場合も一度駅の外に出て再び改札を受けなければなりません。それにかかる時間を考えると、10分程度では乗り換えできない可能性が高く、このプランを実行に移すのは困難と思われます。

 そこで今度はもう少し余裕を持たせ、乗り換え時間をおおむね1時間前後としたプランも作ってみました。所要時間は22時間11分、総距離は400kmほど短い3205kmとなりますが、それでも稚内鹿児島中央間を上回ります。

G1030:広州南8:00→武漢12:06(1069km)
D3004/D3001:武漢13:14→南京南17:15(513km)
G22:南京南18:09→北京南21:55(1023km)
C2093:北京南23:00→天津23:33(120km)
K19:天津0:41→錦州6:11(480km)

 このプランなら比較的容易に実行できると思いますし、私としても挑戦してみたいとは思います。「発注」があればの話ですが(笑)。

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