東急線にやってきた西武車

 昨夜、ネット上で「西武鉄道の車両が東京急行電鉄(東急)線に入った」との話を聞き、今日は自宅から電車1本で行ける東急東横線の元住吉検車区を訪れました。
 元住吉駅から少し歩いて検車区の南端に向かうと、なるほど、西武6000系の編成が1本(6154F)、東急の車両に囲まれて留置されていました。6154Fだけ周囲の車両と顔つきが異なり、まるで『醜いアヒルの子』のようです。いや、醜くはありませんが。

 西武と東急は線路が直接つながっておらず、地下鉄を介した相互直通運転も現時点では実施されていません。
 しかし、東急東横線では渋谷〜代官山間の地下線化工事が進行中で、これが完成すると東京地下鉄13号線東京メトロ副都心線)の渋谷駅に接続し、東横線から同線を介して西武池袋線東武鉄道東上線に乗り入れる相互直通運転が実施される予定です。
 この工事は2012年度の完成が予定されていることから、それに先駆けて相互直通区間での試運転を実施することになり、このほど東急の車両が西武線へ、そして西武の車両が東急線に入線したのです。

 今となっては相互直通運転など珍しいものではありませんし、そもそも1〜2年後には毎日のように見られるのですから、慌てて見に行く必要はありません。とはいえ、かつて「伊豆戦争」「箱根山戦争」で反目し合った鉄道会社の車両が並ぶというのですから、居ても立ってもいられず元住吉を訪れたのでした。
 東急グループを率いた「強盗慶太」こと五島慶太と、西武グループを率いた「ピストル堤」こと堤康次郎が存命なら、東急車と西武車が並ぶ姿を見て何を思うのでしょうね。